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胚芽精米とは・・・
胚芽米とはなに?
一口で言えば、「一粒づつの米の頭に総合ビタミン剤のカプセルをくっつけたもの」(女子栄養大学教授五明紀春氏著/「胚芽米のすべて」から)
胚芽精米は、栄養価の高い米の種子の胚芽を残すように特別な装置で精米したお米です。
胚芽精米は、普通の精米に比べて微量栄養素(無機質、ビタミン)や食物繊維を多く含んでいます。中でもビタミンB1、Eが多く含まれていて、胚芽精米ごはんと白飯を比較すると、表のようにどちらも白飯の約4倍含まれています。
このように、胚芽精米は、玄米に比べて食べやすい特徴があります。胚芽精米は栄養価を損なわずに白米の持つ美味しさを追求したお米です。
さらに、玄米に比べて食べやすく、消化しやすいという特徴があり、栄養価を損なうことなく、白米が持つ美味しさを追求したお米といえます。
栄養成分 | 胚芽ごはん | 白いごはん | 食パン |
---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | 167 | 168 | 264 |
ビタミンB1(mg) | 0.08 | 0.02 | 0.07 |
ビタミンE<αトコフェロール>(mg) | 0.4 | Tr (微量) | 0.5 |
ビタミンB6(mg) | 0.09 | 0.02 | 0.03 |
ナイアシン(mg) | 0.8 | 0.2 | 1.2 |
パトテン酸(mg) | 0.44 | 0.25 | 0.47 |
葉酸(ug) | 6 | 3 | 32 |
ナトリウム(mg) | 1 | 1 | 500 |
カリウム(mg) | 51 | 29 | 97 |
マグネシウム(mg) | 24 | 7 | 20 |
マンガン(mg) | 0.68 | 0.35 | 0.24 |
食物繊維(g) | 0.8 | 0.3 | 2.3 |
食塩相当量(g) | 0 | 0 | 1.3 |
【いずれも100gあたり】五訂日本食品標準成分表による
胚芽精米の特徴
ビタミンB1の働き
少年犯罪の続発は「栄養に原因がある」との説が注目されています。厚生労働省の国民栄養調査によるとビタミンB1、B2、カルシウム、鉄分などの栄養素が欠けた子が増えているといいます。その原因はでたらめな食事にあり、ビタミンが不足すると脚気(かっけ)になったり、心臓が肥大したり、脳性脚気といわれる認知症や、手足のしびれなどが起き、心のゆとりがなくなるといいます。
アメリカでビタミンB1不足の実験をしたら、2~3ヵ月もすると全員がノイローゼになり、仕事や勉強もしなくなり、いらいらしたり凶悪なヒステリー状態になったという報告があります。そこでアメリカではビタミンB1を、『道徳ビタミン』と名付けたといいます。
ビタミンB1不足の解消には、『はいが精米』が最適といわれています。
便秘改善には…食物繊維とビタミンB群
食物繊維は、便秘の解消に大変効果があります。『はいが精米』には食物繊維が多く含まれています(白米の3倍)。胚芽精米にはビタミンB1が白米の3倍あります。ビタミンB群は、腸内細菌を増やして、その活動を活発にし、腸の働きを非常によくします。慢性の便秘を防ぐにも治すにも、便秘になりにくい食生活を毎日継続することが大切です。
『はいが精米』は、食感が白米とほとんど変わらないので、毎日食べ続けることができます。食べる量は、1日1合(茶碗に軽く3杯分)程度を目安にします。
γ-アミノ酪酸、通称「ギャバ」の働き(1)
代表的な栄養素には、ビタミンやミネラルの他に、もう一つ非常に重要な栄養素があります。γ-アミノ酪酸(ガンマあみのらくさん)、通称「ギャバ」と呼ばれる成分です。ギャバはアミノ酸の一種で、人間の体内では、脳内に多く含まれています。一般にギャバは、神経伝達抑制物質として知られており、神経の高ぶりを抑えて、正常な働きに戻す役割を担っています。ギャバは血圧を劇的に下げ、しかも副作用が無いということが分かり、一躍有名になりました。
ギャバが高血圧に著しい効果を示すのは、腎臓の働きを活発にして、利尿作用(尿の出をよくする)を促し、不要な塩分を体外に排泄するからだということが分かっています。血圧を下げる効果を得るために必要な量のギャバを摂取するには、『はいが精米』1日に約1合分(茶碗に軽く3杯分)程度が目安です。高血圧や脳卒中の予防に役立ちます。
γ-アミノ酪酸、通称「ギャバ」の働き(2)
ギャバは、記憶をつかさどる中枢である海馬という場所に多く含まれていますが、年を取るほど、ギャバは著しく減ってきます。アルツハイマー型認知症の患者や、精神的にパニックや不安状態にある患者の脳脊髄液を調べると、ギャバが著しく減っていることが分かっています。ギャバを食べることによって脳内のギャバの量が増え、これらの症状が改善される見込みがあります。
γ-アミノ酪酸、通称「ギャバ」の働き(3)
ギャバには肝機能を正常に保つ働きがあります。今のところ、まだそのしくみのすべてはわかっていませんが、一つの答えとなるのが、アルコールの分解を早める働きがあるということです。ふつう水割り1杯程度のアルコールを飲むと、4~5時間後に、そのほとんどが分解されて血液中からなくなりますが、ギャバを摂取した場合では、約3時間と、通常よりも1~2時間も早くアルコール分が消失するということが実証されています。
γ-アミノ酪酸、通称「ギャバ」の働き(4)
一般に暴飲暴食を繰り返すと、糖尿病になりやすいといわれます。高カロリーの食事を取りつづけていると、たんぱく質や糖分、脂肪分を分解する酵素や、ホルモンのインスリンを分泌する膵臓の働きが追い付かなくなって、その機能が披弊してしまいます。つまり、糖尿病は、膵臓を酷使したために起こる病気といえるわけです。
ギャバにはこの糖尿病を改善する様々な効果があります。一つは、ギャバがそれぞれの臓器の働きを活発にすることによって、糖分などのエネルギーの消費が促進されること。二つ目は、ギャバが膵臓の各種の酵素の分泌やその活性を高めていること。三つ目に、ギャバが血液中のコレステロールや中性脂肪を減らすことによって、結果としてブドウ糖の量も減らすことです。血糖値を下げ、一定の値にコントロールするのに有効な食品は少なく、糖尿病を改善するギャバの効果に対する期待は高まっています。
胚芽精米の歴史
第1世代(胚芽米時代)…1927~1977(昭和2年~昭和52年)
胚芽米が全国に市販され陸海軍が兵食として採用した時代で、明治以降の国民病であった「脚気」が胚芽米の常食によって撲滅され、日本の食物史では忘れることのできない業績を残しました。ただし戦時中と戦後(1939~1956年(昭和14年~昭和31年))の17年間は、食糧不足を補う国の政策で、黒い米を食べなければならないため、販売が停止されました。
第2世代(胚芽精米時代)…1977~2002年(昭和52年~平成14年)
前期 1977~1997年
政府が配給制度の中に胚芽精米の配給を加えた時代。
後期 1997~2002年
胚芽精米普及協議会と社団法人日本精米工業会が胚芽精米製造販売指針(①胚芽保有率80%以上、②精米白度34%以上、③原料米は良食味米を使用)をつくり会員を指導して時代。
第3世代(新しいはいが米時代)…2004~(平成16年~
21胚芽協が設立され品質基準(①胚芽保有率80%以上、②精米白度34%以上、③食味は良食味であること)を設定・信頼できる製品が販売されるようになりました。2006年(産米)からは、さらにレベルの高い高栄養、高品質、良食味の製品(①胚芽保有率85%以上、②精米白度38%以上、③食味は良食味であること)の製造販売が検討された。
胚芽精米の歴史年表
1878(明治11)年 | 内務省、「府立脚気病院」(東京)を設立。脚気病調査を始める |
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1904/1905(明治37/38)年 | 日露戦争での陸軍の戦死者48000人、うち脚気病死者28000人 |
1923(大正12)年 | 全国脚気病死者27000人、人口10万人に対して死亡者45人 |
1924(大正13)年 | 島薗教授「胚芽米常用」を提唱 |
1927(昭和2)年 | 島薗教授「胚芽米常用」を提唱 |
1928(昭和3)年 | 食糧問題調査会「主食改善案(島薗教授)」決定答申、胚芽米全国普及の端緒 |
1930(昭和5)年 | 「主食改善論争」胚芽米(島薗教授)対七分つき米(佐伯矩博士) |
1932(昭和7)年 | 脚気病はビタミンB1欠乏によることを臨床試験で証明(島薗教授) |
1933(昭和8)年 | 「家庭食養研究所」(香川昇三・綾)発足、栄養・料理の知識普及に努める |
1935(昭和10)年 | 陸軍兵食に一日胚芽米600gを取り入れることを定める。 |
1939(昭和14)年 | 米穀配給統制法公布 |
1942(昭和17)年 | 食糧管理法公布 |
1945(昭和20)年 | 天皇「終戦の詔勅」放送、終戦 |
1969(昭和44)年 | 自主流通米制度発足 |
1974(昭和49)年 | 神経学会「若年性多発性神経炎」を数例報告。後、脚気病と分かる |
1976(昭和51)年 | 厚生省全国調査報告「最近の脚気について」。豊かな時代の脚気病警鐘 |
1977(昭和52)年 | 食糧庁「胚芽精米実施要領」制定 |
1978(昭和53)年 | 「胚芽精米普及協議会」設立(会長朝日 創、名誉会長香川 綾)。 業界中央4団体による。(全国食糧事業協同組合連合会、全米商連協同組合、(社)日本精米工業会、(財)全国米穀配給協会)参会 |
1993(平成5)年 | 米の大凶作。胚芽精米生産・消費量激減 |
1997(平成9)年 | 胚芽精米の新規格制定(胚芽精米普及協議会、(社)日本精米工業会) |
2002(平成14)年 | 胚芽精米普及協議会(会長天野一男)解散 |
2004(平成16)年 | 「21胚芽精米推進協議会」設立(会長増田敏雄、名誉会長香川芳子)設立 |
2014(平成26)年 | 女子栄養大学と産学共同を締結 |
普通精米と胚芽精米の違い
お米の構成は「胚芽」「糠層」「胚乳」からできています。
玄米から「糠層」を取り除くと胚芽精米になり、胚芽精米から「胚芽」を取り除くと精米なります。
玄米
モミ米からモミ殻を除いた精米していない米
特徴
玄米は精白米に比べて、ビタミンB1は5倍、ビタミンEは7倍、食物繊維は6倍
胚芽米
胚芽保有率80%以上で、精米白度34%以上にした精米
特徴
推定とう精保留91.5%。胚芽ごはんは精白米に比べて、ビタミンB1は4倍、ビタミンEは5倍、食物繊維は3倍
白米
ぬか層と胚芽が全部除かれた精米
特徴
推定とう精保留91%
見た目が白く、米のおいしい部分を抽出したもの
胚芽米は白米より栄養成分が豊富で美味!
胚芽には将来、発芽・発根に分化する細胞群がすべておさめられています。お米の胚芽にはイネの成長に必要なビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養成分が濃縮パックされています。
不規則で偏った食事をしていると、現代でもビタミン欠乏症になることがあります。胚芽には、ビタミンB群とE群が多く含まれているので胚芽米を常食すればバランスよくビタミン摂取ができます。
胚芽米には、糖質を体内でエネルギー源にかえるビタミンB1や、たんぱく質の代謝には欠かせないB6、老化を防ぐといわれているビタミンEなどの栄養成分が白米より豊富に含まれています。
胚芽米には便通改善に効果的な食物繊維も白米より豊富に含まれています。注目の機能成分「GABA」を含んだ胚芽部分を80%以上残して精米したのが胚芽米です。専用胚芽精米機により、白米と同等またはそれ以上の美味しさを実現しました。
【脚気】
ビタミンB1の欠乏により起こる病気。倦怠感(けんたいかん)・手足のしびれ・むくみなどから始まり、末梢神経の麻痺(まひ)や心臓衰弱を呈する。かつて日本で国民病とされた。
【ビタミンB1】
ビタミンB複合体の一。米ぬか・酵母・レバーなどに多く含まれ、糖質代謝に関与。欠乏すると脚気(かっけ)・神経炎などを起こす。最初に発見されたビタミンで、鈴木梅太郎も発見しオリザニンと命名した。チアミン。アノイリン。